私の父はサッカー経験者ではなかったので、サッカーについて父から学んだことはほぼありません(笑)。そういってしまうと、父はがっかりしてしまうかもしれませんね!しかしながら、サッカーに関することで、1つだけ父から学んだ大切なことがあります。

それは、靴を磨くということです。
そのときは、深く考えてはいませんでした。ただただ、サッカーシューズがきれいな方が気持ちがいいと思って続けていました。

しかし、大人になってこれが自分を高めるため、運を引きつけるために大切な考え方だったと知りました。当時、父がそこまで意識して私に伝えてくれるのかはわかりませんが、今も大切な考え方の1つになっています。

今回は、靴磨きから考えてみたいと思います。


サッカーを始めた時から、サッカーシューズを大切にするよう教えられた

私は、小学3年生から自分が通う小学校のスポーツ少年団でサッカーを始めました。

入部してしばらくは運動靴で練習をしていました。しばらくすると、私が本気で続けると思ってもらえたようで、父がサッカーシューズを買ってくれました。名前までは忘れてしまいましたが、ジュニア用(子ども用)のプーマ製のサッカーシューズを買ってくれました。それが私にとってすごくうれしいことだったので、今でも覚えています。

うれしかったので、私なりに大切に使うように心掛けていました。

何年生の頃だったかは忘れてしまいましたが、あるとき父が靴墨を持って、これでサッカーシューズの皮を磨くときれいになるし、長持ちすることを教えてくれました。最初は磨き方も教えてくれました。何度も繰り返していくうちに、自分なりのやり方でサッカーシューズを磨き、大切にするようにしていきました。

父がものを大切にする背中を見ていた

父は普段から物を大切にする姿を私に見せてくれました。

趣味のゴルフに使うゴルフクラブの管理する様子、車をきれいに洗車する様子、衣服や鞄を大切に扱う様子など、物を大切にする姿を身を以て伝えてくれていたのかもしれません。

そんな姿を見て、私も自分のものを大切に扱う習慣が自然に身についてかもしれません。小学校のランドセル、中学校の指定鞄など、壊れることなく卒業するまで使い切りました。中でも、サッカーシューズは特別でした。当時は決して安くはありませんでしたし、今のようにセール品が簡単に手に入る状況ではありませんでしたので、購入したサッカーシューズを本当に大切に使っていました。

2足を交互に使いながら、手入れをして長持ちするようにしていました。そして、古くなったサッカーシューズは雨用のサッカーシューズにして、晴れ用と雨用に分けて、少しでも痛みにくい状況をつくっていました。

天候によって履き分けることと、晴れ用と雨用に使い分けることは今でも続けています。

しかし、サッカーシューズを磨くことは大人になってからはあまりやらなくなりました。最近のサッカーシューズは、白や赤、青、ピンクなど非常にカラフルで、靴を磨いてもあまりきれいになったな〜と感じにくくなったこともあります。最も大きな原因は、サッカーシューズに対して念を込めることがなくなってしまったからです。

こうして、歳をとって自分の感性が鈍感になっていると感じることは、何とも寂しいことだな〜と改めて感じています。ですが、気づいたときがスタートのときでもありますので、これを機に自分の感性を見つめ直したいと思います。

サッカーシューズを磨きながら考えていたこと

中学生や高校生の頃、大事な試合前には必ずサッカーシューズを磨いて、ピカピカにしていました。当時、みんながそうしてサッカーシューズをきれいにして試合に臨むことが流行っていたからもあると思います。

私は、サッカーシューズを磨きながら、次の試合のイメージトレーニングのようなことをよくやっていました。「こうやって守ってやる!」とか、「あの選手をこうして封じてやる!!」とか、「得点するなら、こんな感じかな〜?」といろいろなイメージを湧かせていました。残念ながら、そのイメージが試合で発揮できることはほぼありませんでした(苦笑)。

しかし、こうした積み重ねが、自分のサッカーへの思いやプレーへの責任感をより増してくれていたように、今思えば感じます。

当時、「物は生きている!」と考えたことはありませんでしたが、こうしてコツコツとサッカーシューズを磨き、大切に使う続けていることで、いつの日か大事な場面で自分の味方をしてくれたり、ラッキーな場面を作り出してくれると信じる気持ちは多少ありました。逆に言うと、運を自分の味方につける方法は、これくらいしかないと考えていました。

今振り返ると、こうしてサッカーシューズ磨きを続けていたことで、道具を大切にするということから始まり、それが道具に思いを込めることに広がっていったように思います。その思いが、自分の思いの大きさになり、よりサッカーが好きになったのかもしれません。苦しい場面で自分を支えてくれる自信のようなものになったかもしれません。

物を大切にする姿勢を伝えてくれた父に、とても感謝しています。

物は生きている!?のまとめ

先日、練習から帰ると、息子のサッカーシューズがきれいに洗ってあり、玄関に干してありました。雨でグランドがぬかるんでいる中で活動した息子が、自分で汚れを流していたのです。

それを見て、私が父から教わった靴磨きを思い出して、はっとしました!

やはり、物を大切にすることはすごく大事な考え方だな〜と改めて思い起こしました。私はまだまだその域までは到達していませんが、「命を吹き込む」くらい物を大切にすることができるような人間に成長できたときには、本当に物や道具が自分自身を助けてくれる、応援してくれるのかもしれません。

逆に言えば、それくらい豊かな感性を高めている人間であれば、いろいろなことに気づき、いろいろなチャンスをつかむことができると思います。

元プロ野球選手で数々の偉業を成し遂げたイチローさんが、野球の道具をとても大切に扱うことは、有名な話です。

この度は、息子の行動からはっとさせられて思い出したことをシェアさせていただきました。懐かしく、大切なことを思い出させてくれた息子に感謝するとともに、自分自身の行動を振り返り、できることから始めていきたいと思いました。

この記事が誰かの役に立てますことを願っております。