昨日12月6日0時から、運命のカタールワールドカップ決勝トーナメント1回戦「日本vsクロアチア」を観戦しました!みなさまは、観戦されましたか?

前半43分コーナーキックから、前田選手が押し込んで先制点をもぎとったとき、「とうとう日本がベスト8進出という新しい歴史の扉を開くときが来たかもしれない!!」とわくわく興奮しました。

ところが、後半10分頃にクロアチアに同点に追いつかれました。「やはり、ベスト8進出は簡単ではないな〜!これは『試練』だな!!がんばれ!!」と心の中で思い、日本の勝ち越しゴールを心から願いました。

しかし、それは叶わず、PK戦の末にクロアチアに破れてしまいました。

2大会連続ベスト16進出は素晴らしい結果ですし、日本の選手、スタッフのみなさまの言動から多くのことを学ばせていただきました。そして、何よりも心を動かされ、自分もがんばりたいと「やる気」を刺激していただきました。

今回は、そんな「サムライブルー(男子日本代表愛称)」から学んだことをみなさまとシェアさせていただきたいと思います。


GK権田選手のコメントからの気づき

メディアの情報は、あるポジションから物事を伝えるという性質があるため、若干脚色されて伝えられている面があるということを加味した上でも、権田選手のコメントが私の心に残りました。(当然、長友選手の「ブラボー!みんなブラボー!!」も。笑)

クロアチア戦の翌日のインタビューだったと思いますが、権田選手が以下のようなコメントをしておられました。


「前回大会と同じベスト16ですが、前回よりも半歩でもベスト8に近づくことができたと感じています。」


今までのワールドカップでは、世界との差が果てしなく大きいことを感じざるを得ない状況でしたし、実際、選手たちのコメントもそれを感じるコメントが多かった印象でした。しかし、今回のこの権田選手のコメントから、着実に世界の基準に近づいたことが心から感じられました。ドイツ戦、スペイン戦での勝利、それも逆転で勝利したことから、とても納得感があります。

世界のサッカーが急速に発展していっている中で、「半歩」でも近づいたということは、日本のサッカーが急速に進化しているということではないでしょうか?

そして、何よりもすごいな〜と感銘を受けたのは、その「半歩」に進化が選手の口から出ていることに尽きると思います。ピッチ上で肌で感じたからこその、この「半歩」の発言が私には刺さりました。

なぜ、権田選手のコメントが私の心に刺さったのかを考えてみました。そこには、2つの理由が思い浮かびました。

1つは、権田選手のようなプロサッカー選手、日本を代表する選手でも、「半歩」しか進化できないということから、世界のサッカーって、とんでもなくレベルが高く、頂上が見えないくらいの壁だったんだな〜と改めて感じました。4年間というかなり長い時間をかけて、私たちの想像を遥かに越えるような努力や積み重ねを積み上げてきても「半歩」しか進化できない厳しさを感じました。

これを自分に置き換えると、普通の人間である私は、もっともっと努力や積み重ねをしていかないと成長できないと感じました。それも毎日毎日、小さな変化を大切にしていかないとダメだなという気づきを得ました。

そして、もう1つの理由は、「半歩」ということばに「力強さ」と「重み」を感じたことです。4年間、世界という基準で取り組み続けてきた、それも私たちにはできないようなレベルで、ものすごい積み重ねを積んできたからこそ、達成できた「半歩」の進化だったんだなと感じました。毎日毎日、明確に世界の基準を意識して行動してきたんだな〜と感じました。

ここから、私も日々何となくがんばっているだけ、ただがんばるだけではいけないな〜と気づきました。1日1日、自分の目指すことを明確に意識をして、1つずつ確実に「できる」を増やしていかないと、権田選手のように4年後に自分たちは進化したと力強く言えないなと感じました。

そして、改めて感じたことは、「結果」を達成することも大切ですが、やはり1番大切なことは、「結果」を目指しながらも「過程」を疎かにしないこと、「過程」を丁寧に感じ、味わっていくことです。

ベスト8進出という「結果」を出すことはできなかったけど、4年前よりも確実に「半歩」進化した、成長したと自信をもって言えるのは、やはり日々「過程」を大切にして行動してきたからだと伝えていただいたように感じました。私自身も、そこをできる限りまねしていきたいと思いました。


「変化」を感じることが「やる気」につながる

権田選手のように、4年間継続して取り組み着実な進化、成長を得るにはどうしたらよいのでしょうか?

それは、「変化」を認識すること、です。

人間は、「変化」を感じると、「続けよう!」という気持ちが高まる、「やる気」が持続するという研究結果があり、科学的に証明されています。

以前、私は自分を成長させるため、自分を変えていくために、自分の行動に「変化」を起こそうとしていました。気持ちが熱いうち、「やる気」が高いうちは何とか継続できるのですが、だんだんと気持ちが下がっていき、継続が難しくなることが多々ありました。

あるとき、気持ちを高めようとするのではなく、自分の行動によって「変化」したことを書き出してみました。すると、とても気持ちが前向きになり、「よし続けていこう!」という気持ちが高まっていくのを感じました。のちに、こうして自分の「変化」を感じることが「やる気」を高めることにつながることを知りました。それ以来、自分の「変化」を、たとえ小さな「変化」でも見逃さないように感じる、認識するようにしてきました。


「変化」を感じる習慣を身につけることが、最高の「自分」に近づけるコツのまとめ

今回、「サムライブルー」から学んだことをまとめている過程で、たとえ自分が目指す目標が達成できなかったとしても、力強く「成長できている!!」と確信を持てるような取り組みをしていくことが重要だということに改めて気づかされました。

そうでないと、「結果」が出なかったからダメだったで終わってしまいます。自分が望む「結果」がいつも出せるとは限りません。しかし、自分が望む「結果」を目指して、着実に積み重ねをして「結果」に近づくことは必ずできます。成長していくことは誰にでもできます。

なかなか小学生や中学生には難しいかもしれないですが、目標の設定の仕方が非常に重要となってくると思います。

入試で○○高校に合格する、〇〇大会で優勝する、テストで〇〇点をとる、といった目標設定が悪いと思いませんが、これだけでは「結果」が出せなかった場合は「ダメだった」ということになってしまいます。

例えば、○○大会に優勝するという目標にプラスして、そのために、10分スキマ時間ができたら、ドリブルを練習する・体幹TRをする、とか、毎日朝5時に起きて30分試合を観戦して学ぶなど、「結果」を出すための「過程」の小さな目標をつくるとよいかもしれません。「過程」の目標は、心の目標でもよいかもしれません。応援される選手になる…そのために、声を出し続ける、勝負強い選手になる…そのために、いつでも自分に「もっと」できることはないかを見つけて行動する、など、心の面の目標は、優勝できなかったとしても日常生活や将来の自分に役立てることができます。

そして、「過程」の小さな目標が達成できることを感じることができるよう、カレンダーを活用してできた日に○印をつけていったり、自分のノートにその日にできたことや気づいたことを記録していったりなど、小さな「変化」を実感、認識できるように取り組んでいくのです。それを積み重ねていくことで、だんだんと自分の成長を感じながら「やる気」を高めていくことができるのではないでしょうか?

こうした取り組みの上で、自分の成長を感じながら取り組んでいけば、より自信を持って大会にのぞめるのではないでしょうか?もし大会に優勝できなかったという「結果」が出てしまっても、優勝するために自分は着実に取り組んできたという「過程」、そしてその「過程」でしっかりと成長してきたという事実は消えることはありません。着実な取り組みによって、敗退を糧に次に進める、そしてさらに成長することができるのではないでしょうか?

残念ながら私は大人になってから、このことに気づきました。私は、高校生のときに高校総体と高校サッカー選手権大会の全国大会に出場しました。しかしながら、ほとんどの試合でベンチ入りはしましたが、出場時間はほぼありませんでした。だから、県の大会を優勝したことに対して、自分の成長を感じたことはほぼありません。練習も自分なりにはがんばっていましたが、この「過程」の目標設定を自分で明確にできていなかったので、自分の取り組みに対しての成長の実感もあまり持てませんでした。自分の身を以て、「結果」だけを追い求めても何も得るものはないということを学びました。

本当に情けないことですが、この苦い経験をもとにしているからこそ、今回の権田選手のコメントが自分に刺さったのだと思いますし、「半歩」ということばに力強さや重さを感じたのだと気づきました。今回のワールドカップでの「サムライブルー」の選手たちのパフォーマンスを見ていて、私の心が熱くなりました!

今回の学びから、これから関わっていく子どもたちがより最高の「自分」に近づくことができるよう、導いていきたいと強く感じました。

今回の記事が、誰かのために役立ちますよう、願っております。