この記事を発信する目的は、プエデジュニアユース(中学生チーム)の体験練習にご参加いただく皆様に対して、クラブがお伝えしたいことをよりわかりやすく、より伝わりやすくなることです。

誤解していただきたいくないのは、決して他のチームがよくないということを言いたいのではありません!!鳥取市、東部地区にも、いくつかのクラブチームや中学校のサッカー部がありますが、みんなそれぞれによいところがあり、特徴があります。

それと同じように、プエデにもよいところがあり、特徴があります。それをこうして言語化することで明確にして、チームを選択される際の判断基準にしていただければと思います。

お子さま、そして保護者の方が、自分たちの目的にあったチーム、環境に入ることによって、より幸せで充実したサッカーライフを送っていただきたい、より長くサッカーを続けていただきたい、と心から願っております。もしかしたら、自分たちのもっている目的と完全に合致するチームはないかもしれません。そういった場合でも、できるだけ目的にそった部分が多くある、もしくは目的の優先順位の高い部分が一致しているなど、少しでも納得感のある選択をしていただくことにお役に立てるよう、当クラブのことを発信しております。

これを読んでいただいて、体験練習に参加していただくと、よりわかりやすかったり、今まで気づかなかったことに気づかれるかもしれません。

お子さまがよりよいサッカーライフを送ることができることを心より願っております。


<もしよろしければ、以下の記事もご覧ください>
ここがちがうよ!!プエデジュニアユース(中学生チーム)の取り組み①

結論!「ミスを怖がらず挑戦できる」「ミスから学べる」人間になります!!

珍しく!?結論からお伝えします。

プエデジュニアユース(中学生)で活動していくと、お子さまが「ミスを怖がらずに挑戦できる人間」になります。

なぜでしょうか?

「挑戦」=「実験」という定義に変えます。例えば、苦手な足でのキック。試合の大事な場面で、苦手な足でシュートすることは、なかなか選べないと思います。なぜかというと、練習で「できる」もしくは「できるかも…」というレベルまで積み重ねていないからです。試合ばかりやっていると、ここの部分に取り組むチャンスは、なかなかないと思います。

プエデでは、練習では、「できることを1つずつ増やしていく」ことを大切にしています。そのためには、「できない」こと、「少ししかできない」ことに挑戦しなければ、できることは増やせません。しかし、「ミス」=「してはいけないもの」という定義が強い限り、子どもたちは挑戦できません。なぜならば、「ミスができない」からです。

ミスをしないで上達することはあり得ません。しかし、頭ではわかっているのになかなかできないのが人間です。そこをチームとして全員で取り組んでいく雰囲気を大切にしています。「心理的安全性」を集団の中で確保していく中で、安心して「ミスができる」から、だんだんと「挑戦できる」に積み重ねていきます。

ミスを怖がらない挑戦をたくさんできるようになっていくと、だんだんと「ミス」や「失敗」から学ぶ経験を積んでいくことができる人間に成長していきます。これは、サッカーで大きなアドバンテージになりますが、サッカーに限らず、高校生になっても、社会人になっても、大切な宝物になると考えています。

勘違いしていただきたくないのは、「ミス」を「ドンマイ!ドンマイ!!」と励ましておしまいという精神論ではないということです。「失敗」や「ミス」に対して、どうすれば「失敗」や「ミス」の事実だけを明確にとらえて、現実から目を背けることなく、心がブレてしまったり落ち込んでしまったりすることなく、挑戦に向かっていけるか?という物事のとらえ方やメンタルコントロールまで、きっちりと体験を通じて、伝えながら自分でできるようにしていきます。

ぜひ、体験練習を通じて、そこが本当なのか?どれほど価値のあるものなのか?を確認していただければと思います。

なぜ、練習からミスを怖がってしまうのか?

本当にありがたいことに、これまでたくさんの子どもたちにジュニアユースの体験を受けていただきました。一緒に同じチームで活動してくれるなかまが増えることはもちろんうれしいのですが、そうでなかったとしても、中学のサッカーを続けていく上で、プエデを選択肢の1つとして考えていただき、体験練習にご参加いただきましたすべてのみなさまに、本当にありがたいな〜と心より感謝しております。

これまで、たくさんの子どもたちが体験練習でプレーする姿を見てきましたが、私がいつも感じる「違和感」があります。

それは、「必要以上にミスを怖がっている」ことです。

もちろん、初めて中学生とサッカーをすることに対しての緊張があると思います。また、初めていく環境への不安もあるかと思います。しかし、私が感じる「違和感」は、その次元のものではありません。

例えば、2対1のミニゲームを行っているときです。2人の方から攻撃をスタートします。これは圧倒的に攻撃が優位な状況です。それにもかかわらず、ほとんどの子どもがパスしか選ばないのです。2対1がなぜ優位なのか?それは2人がボールを保持しているとき、ボールを持っている選手は、パスも選べるしドリブルも選べるからです。

しかし、それを丁寧に説明したとしても、まだパスしか選べないのです。ドリブルをやってみようという子どもは結構、まれだと感じています。

いったいなぜなのでしょうか?みなさんは、どう思われますか?

それは、心の底から「ミスをしてはいけない」と思っているからです。「サッカーはミスのスポーツ」という方もおられるくらいです。ミスしなければ、10点、30点、50点…も入ってしまうようなスポーツになるはずです。しかし、そうではないですよね?

それなのに、「ミスをしてはいけない」と心の底から「信じて」しまっているのです。このことに気づいてから、「いったいなぜなんだろうか?」と自分の中でずっと追求し続けてきました。


試合が多すぎることが「ミス」を過剰に怖がることになってしまう理由

この問いに対して、私なりの答えがあります。しかし、科学的根拠やデータの裏付けまではなく、あくまでも私の主観ですので、興味のある方だけご覧ください。


小学生年代での試合が多すぎるのは、サッカーに限らず、他のスポーツでも取り上げられることが増えてきているのではないでしょうか?ここでしっかりとお伝えしたいことは、大会が多すぎることがいいとかいけないとかが言いたいわけではないということです。そこは個々で考え、判断する部分だと思います。

私がお伝えしたいのは、大会が多いことで子どもたちにどんな影響があるのかということを大人のみなさまに再認識していただきたいということです。

大きな影響の要因は、大人にあると考えています。大人の側が、出場するすべて大会で、子どもたちを勝たせようとがんばり過ぎることが、子どもたちに大きな影響を与えているのではないでしょうか?

試合をする限り、子どもたちも「勝ちたい!」という気持ちは当然持っています。そこに、大人が勝たせようとする意志や行動が強く出ると、そこから子どもたちは「ミスをしてはいけない!!」ということを過剰に受け取ってしまうのではないでしょうか?ミスをすると、失点につながったり、それが重なれば試合に負けてしまう…その因果関係から、「ミスをしないようにする」というマインドが身についてしまっているのではないでしょうか?

試合でも練習でも、あらゆる場面で「ミスをしてはいけない」マインドが発動して、脳からミスをしないようにと指令が出ますので、実際の行動も「ミスをしない」行動を選ぶようになります。もともと脳は防衛反応が強いので、「ミスをしない行動」の選択は強化されます。そして、行動して、「ミスをしないプレー」を選択してうまくいけば、それがどんどん強化されてしまいます。

さらに、重要なことは、人間は、自分が目にするもの、耳にすることばに、ものすごく大きな影響を受けるということです。つまり、自分が積極的に挑戦しようとしていても、周りのチームや選手たちが「ミスをしないように」と行動やことばを口にしていると、それはだんだんと自分にも影響を与えてきます。脳は、主語を理解できないからです。

「ミスをしてはいけない」マインドが強く現れている環境に身を置くと、大きな影響を受けるのはそういった理由からです。普段のリーグ戦と、全日本少年サッカー大会の雰囲気が大きく違うと感じたことはありませんか?「勝負がかかっているから…」ということもあると思いますが、やはり「ミスをしてはいけない」マインドがかなり強く出ている影響が大きいから、普段とはちがう異様な雰囲気を感じるのだと思っております。


「正解/不正解」、「良い/悪い」という白黒思考だけでは、子どもたちは成長できない理由

「ミスをしてはいけない!!」と思い込んでしまうもう1つの要因は、学校での勉強や学習からの影響です。

学校では、基本的には1つの答えに向かっていく学習が多いです。そうすると、最終的な答えは、「正解」と「不正解」のどちらかになります。つまりは、「白」か「黒」が明確になることをたくさん経験していきます。これが子どもたちに大きな影響を与えています。

サッカーに置き換えると、「勝ち」=正解(いい)、「負け」=不正解(悪い)ということになるのではないでしょうか?これがわかりやすいから、思考が苦手な人間や価値観が多様ではない人間にとって、強烈な考え方になってしまうのではないか、判断軸になってしまうのではないかと感じています。

しかし、サッカーはそんな単純なものではありません。
勝っても、出来が悪かったり思うようにならなかったりすることがあります。負けても、うまくなったり成長したりしたこともあります。つまり、どうとらえるかはその人次第なのです。

ここで、「勝つことがすべて」、「負けたら意味がない」と定義するのか?「勝っても成長しないと意味がない」、「挑戦がないと試合をする意味がない」と定義するのか?で、子どもたちの考え方、行動は大きく変わってしまうのいではないでしょうか?

「ミス」に対しても、ミスをしないことがいい、ミスをするのは悪いと設定するのか?ミスはミスでも、挑戦のあるミスはいいと設定するのか?で、目の前の子どもたちの心や行動は変わりますし、何よりもその子の成長は大きくかわると思いますがいかがでしょうか?

学校の教育がいい、悪いということが言いたいのではありません。

そういった子どもたちの背景までしっかりと把握した上で、子どもたちと関わっていかないと本当の意味で子どもたちが成長できるような環境をつくることはできないのです。

時々、スタッフ間でうまくいかない、スタッフと保護者間でうまくいかないという話を聞くことがありますが、多くのケースがコミュニケーション不足が要因であり、特にこうした部分の共有がなされていないことが多いのではないでしょうか?


ここがちがうよ!!プエデジュニアユース(中学生チーム)の取り組み②のまとめ

試合をしないと強くならないし、うまくならないということを言われる方が多いと感じています。それもそうだな〜と納得する部分があります。

しかし、私がこれまでの20年以上の指導経験から気をつけていることは、「試合がうまくなること」と「個々がうまくなること(成長すること)」は、明確に分けて見ていかないと大切なことを見失ってしまうということです。

試合をたくさんやると、だんだんと試合に慣れてきて、「やり方」を覚えていきます。すると、個人がうまくなったように、高まったようにも見えます。しかし、それはただ「試合がうまくなっている」だけなのです。試合の中で、やってはいけないことやミスしてしまうようなことは選択しないことを身につけただけなのです。

相手のサッカーの種類が変わったり、ポジションが変わったりしたら、うまくプレーできないのではないでしょうか?

なぜかというと、「やり方」が合わないのです。「やり方」でサッカーをすると、いずれ限界がやってきます。その「やり方」ではな通用しなくなったときに、次の「やり方」を編み出せないからです。すると、もうつまらないといって、辞めてしまいます。

だから、「やり方」を授けるのではなく、個々を育てるように取り組んでいく方がいいと感じています。個々が育つために必要なことの1つに、「ミスから学ぶ」「失敗から学ぶ」というスキルが非常に重要です。

ミスを怖がらず挑戦していくことによって、ミスから学ぶ体験を1つずつ積んでいきます。それがたくさんになるとミスから学ぶ経験になり、サッカーの世界だけではなく、高校生になっても社会人になっても、自分を成長させ続けるスキルとして、自分を支えてくれる武器になるのではないかと考えています。

また、県内の高校サッカーを見ていると、「ミス」を減らすサッカーが多いと感じます。それは、勝負という要素が大きくなるので、当たり前のことです。こうした「ミス」の許されないサッカーの中で、大切なことは何でしょうか?

私は、中学生のうちにミスを経験し、ミスから学ぶ姿勢を身につけておくことだと思います。また、ミスから切り替えて次の行動を素早くとるスキルを身につけておくことだと思います。そう考えると、中学生のサッカーの中で、ミスを許さなかったり、ミスをさせないようにしたりしていては、そういったスキルは抜け落ちてしまいます。

すると、ずっと「ミスを過剰に怖がったまま」高校サッカーに向かうことになります。サッカーの本当の楽しさに出会うことなく、プレーを終えてしまうかもしれないと感じています。中学生でサッカーを辞めてしまう選手も同じ原因ではないかと感じています。

この度、かなり長文になってしまいました。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

書き初めは、みなさまにプエデジュニアユースのことを発信したいという思いで書いておりましたが、だんだんと書き進めるうちに私の思いが変化してきたことに気づきました。それは、サッカーが大好きな子どもたちが増えてほしいという願いと、サッカーを永く続けてほしいという想いです。そして、そんな子どもたちを心の底から支えてたい、一緒に楽しみたいという大人のなかまが増えてくれたらいいなという気持ちです。

なかなかそういった影響力を私が出していくことは難しいことですが、せめて私が活動しているところ、自分のクラブの子どもたちや関わってくださるみなさまには、そういった想いを伝えていきながら、活動していきたいと思っております。

今回の記事が、誰かの役に立てますことを願っております。



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