昨日2月27日、認定こども園さくら幼稚園保育園にて、運動遊びを行いました。今日は、年長さんと2022年度最後の活動を行いました。

2022年度から、およそ月に1回くらいのペースで、さくら幼稚園保育園の年少(3歳児クラス)、年中(4歳児クラス)、年長(5歳児クラス)の保育授業の一環として、運動遊びの活動をさせていただいております。

私は、運動遊びを通じて、子どもたちに運動することの楽しさ、なかまと一緒に活動することの楽しさ、サッカーの楽しさを伝えて、「もっと!!」となるように指導をすることが私の仕事でした。

しかしながら、私が子どもたちに伝えた以上のことを、子どもたちから返ってきました。

そのことをシェアさせていただきたいと思います。


年長さんとの活動で、少しずつつくり上げてきた活動内容

運動が得意な子どももいれば、そうではない子どももいる…どちらかというと、運動が苦手な子どもの方が多いのではないか…いろいろと想像したり、試行錯誤をしたりする中で、「どうしたら、運動が得意な子どもも、苦手な子どももサッカー遊びを楽しむことができるのか?」…これを見つけることが、私が目指した1つのテーマでした。

私が柱にしたのは、

① できる限り簡単にできることを活動内容に取り入れること
② 運動が苦手な子どもも活躍できる、楽しめる時間や機会をつくること
③ プログラムした活動(同じ活動)を毎回行い、だんだんと上達していることを自分で実感できるようにしていくこと

の3つです。

これは、私が考えたことではありません。活動をしながら、園の先生方の感想や意見を聞かせていただき、少しずつ整理しながら積み重ねた上で、でき上がった柱です。園の先生方のサポートに、心より感謝申し上げます。

また、活動していく中で、「子どもたちが本当に楽しんで活動しているか?」、私にできる限り隅々まで、子どもたちの様子、表情を観察していました。すると、小さなことでも「できた!」、ゴールを「決めた!」というときが、やはり子どもたちにとって、とてもうれしい瞬間であり、1番大切な瞬間であることに気づきました。

そんな様子から、子どもたちの小さな「できた!」、1つのゴールを「決めた!」という大切な瞬間を、私も一緒に喜んで共有することの大切さを学びましたし、いろいろな子どもたちと喜びを共有していると、うれしさを表現している子どもたち以上に、私も幸福感を感じていることに気づきました。

喜びや幸せは、伝染するんだな〜と改めて子どもたちから教えてもらいました。


初めての活動からの子どもたちの成長した姿

年長さんと初めて活動したのは、6月頃だったでしょうか?

初めて活動したとき、現在と同じように、2チームに分かれて、しあい(ミニゲーム)を行なっていました。勝ち負けをはっきりとつけるやり方でしあいを行なったのですが、このとき負けたチームの子どもたちの多くが泣いてしまっていました。。。

泣くことがいいとか、悪いとかについてはあまり気になりませんでした。

私が気になったのは、泣いていた子どもが「もうやりたくない…」と口にしていたことです。なぜ、もうやりたくないのか?…まだ自分の思いをうまく言語化できないということもあると思いますが、「もうやりたくない…」ということばの奥にあるものを感じました。

そのことばの奥にあるものを見えないように隠してしまっている「壁」は何だろうかと考えました。1度目の挑戦で負けてしまったから、もうやらない…この体験で終わってしまう子どもの未来はどうなるのか?きっと失敗を嫌がったり、失敗しそうなことには挑戦しなかったりするようなことが続いてしまうのではないか?

その結果、「新しい景色」を見るために自分で1歩踏み出す、「新しい世界」に出会うために挑戦し続けるような行動はできないような子どもになってしまわないか?

この様子を見て、子どもたちには勝つことも、負けることもたくさん体験のチャンスを与えていかないといけないと感じました。

勝つこともあれば負けることもある…だから、競争するのが楽しいということ、
負けることは悪いことではなく、どう受け止めるかが大切であること、
負けたとしても負けをしっかりと受け止めて、次の行動がとれる人間が素晴らしいということ、
勝ったのは、負けた相手がしっかりと相手をしてくれたから、楽しめたということ、
など、これらを言語で伝えるのではなく、体験を通じて、ふわ〜っとでいいので、伝わってほしいと、自分の経験として取り込んでほしいと、考えました。

先生方にも相談しながら、その後も勝ち負けをはっきりとつけることにしました。

すると、だんだんと変化が見られるようになりました。負けたチームの子どもたちから、「もう1回やりたい!!」、「次は勝ちたい!!」という声が出るようになっていきました。また、待っているなかまからの応援の声もどんどん大きくなり、熱が入っていきました。

みんながそれぞれの「全力」を出し切ってしあいを行う…勝っても負けても、帰るときには、とても達成感を感じるような表情の子どもたちの姿がたくさん増えました。やはり、子どもたちにとって、とても大切なことは「全力を尽くす」ことなんだな〜という気づきをもらいました。

私たち大人は、そんな子どもたちの「全力」をしっかりと受け止めながら、みんながそれぞれの「全力」を出し切れるように、導いていくことが大切なんだと気づかされました。時には、なかまと揉めてしまったり、くじけそうになってしまったりしますが、先生方はそんな姿を見つけたらうまく解きほぐして、活動に参加させておられる姿を見て、私たち大人の影のサポートの大切さに触れました。

多くの子どもたちが負けて「悲しい」から、負けて「悔しい」に変わっていったと感じています。「悔しい」からこそ、「次は勝ちたい!」、「もう1回したい!」と、事実を受け止めて、そこから次の自分の「やる気」に変換させることができるようになっていったのだと思っています。


子どもたちからの「ギフト」

昨日の活動終了後に、さくら組、うめ組の年長のみんなからのプレゼントをいただきました!!

これ以上首にかけられないぞ〜くらいたくさんの「ありがとう」のお花のメダル、ありがとうの想いのことばをかいてくれた「かんしゃじょう」、そして、心のこもった「ありがとうの花」のお歌と、心のこもった素敵なプレゼントをしてくれました。

このプレゼントをもらったことも当然うれしかったのですが、私が1番うれしかったのは、子どもたち1人1人が私の首に「ありがとう」のお花のメダルをかけてくれたことです。1人1人が「ありがとう!」と言って、私の首にかけてくれました。何だか、1人1人に私の思いが伝わり、心がつながったように感じました。

園の生活の流れもあり、なかなか時間がなかったので、1人1人から話を聞くことはできません。しかし、1人1人の気持ちをこうして「ありがとう」のお花のメダルや、「かんしゃじょう」や、「ありがとうの花」のお歌に込めて、伝えてくれたこと、そして、何よりも私のためにプレゼントを準備してくれたり、お歌の練習をしたりと時間を使ってくれてその気持ちをしっかりと噛み締めました。

そして、この日お休みで参加できなかった子どもたちの気持ちまでしっかりと想像させていただきました。


あなたは、子どもからのかけがえのない「ギフト」を見逃していませんか?のまとめ

毎回の活動を「楽しんで」活動することで精一杯で、私自身子どもたちのために役に立てたかどうかはよくわかりません。

しかし、私は子どもたちからたくさんの「ギフト」を受け取りました。3歳児クラス、4歳児クラス、5歳児クラス、それぞれ2クラスずつ活動させていただく中で、本当にたくさんの気づきや学びを得させていただきました。これらの気づきや学びは、きっと今後私が関わっていく子どもたちとの活動に役立つものになります。

しかし、私にとっての1番の「ギフト」は、素敵な「時間」を子どもたちと共有できたことだと、改めて感じています。シュートが入ったときのあの笑顔を共有できたこと、「やった〜!」と喜ぶ子どもと気持ちを共有できたこと、しあいに負けた悔しさを感じているのを共有できたこと、「また次もサッカーしようで!!」と次への楽しみを共有できたこと…たくさんの子どもたちの、様々な感情を共有させてもらう機会をもらいました。

このような感情を共有するのは、ほんの一瞬のことかもしれません。しかし、ほんの一瞬の積み重ねが1日になります。1日1日の積み重ねが1ヶ月となり、さらに1年となります。

私たち大人は、発表会や運動会、大会や試合などの行事を大切なものだと考えていると思います。しかし、子どもたちにとってそれも大切な節目ではありますが、もっともっと大切なことは、その一瞬を子どもたちと共有することだと思います。その一瞬を大切に思う気持ちを忘れないことだと思います。

お金や物は失っても取り返すことができます。しかし、過ぎ去ったその一瞬…時間はもう2度とやってきません。

指導者として、親として、大人として、そして1人の人間として、「お前はまだまだその一瞬を大切にできる感性が足りないぞ!!」ということを、子どもたちから教えてもらったように感じています。なかなか子どもたちのような鋭い感性で生きていくことは難しいかもしれませんが、これからも子どもたちから学びながら、私自身を磨いていきます。

この記事が、誰かの役に立てますことを願っております。