前回の記事で、サッカー初心者の子どもたちへの指導をテーマに考えてみました。

今回は、活動の中で行っていく内容について考えてみようと思います。

今回の記事は、私の経験から考えてきたことですので、これはちがうな〜、これはあわないな〜という場合は、さっとスルーしてください!!

サッカー初心者の子どもたちにまず何を身につけさせるか?

初心者の子どもたちの活動に、私は以下の3つのことを考えて活動を組み立てています。

①ボールを扱う活動
②身体を扱う活動
③刺激に対して、素早く正確に反応できるようにする活動

①についてですが、
初めてサッカーを始める子どもたちに、思い通りにボールを扱えるようになってほしい気持ちは当然ありますが、これは非常に時間がかかりすぐにできるようになることではありません。ボールを運ぶ、蹴るなど、遊びやゲームの中で楽しみながら行います。初心者の子どもたちにとって、ボールの運び方や蹴り方を細かく言いすぎるとストレスになって楽しくなくなりますので、遊びやゲームの中で自然と身についていくのを理想に継続して進めていきます。

②についてですが、
ボールが扱えるようになることよりも先に、自分の身体を思い通りに動かせるようになることが先だと考えています。思い通りに身体が動かせるようにならないとボールも扱えるようになりません。身体を思い通りに扱えるようになることも時間がかかり、すぐにできるようになることではありませんので、継続してコツコツと取り組んでいきます。ボールを投げたり、スキップやバックステップなどのステップワーク遊びをしたり、上半身もしっかり刺激しながら継続して行っていきます。

③についてですが、
これが初心者の子どもたちにとって、最も大切な活動だと考えています。これは子どもたちも私たち指導者も効果を感じにくいですが、継続して行っていくことで後の子どもたちの上達に非常に大きく影響してきます。

様々な刺激に対して、素早く反応できるようにすること、つまり、脳、神経回路、身体の動きをつなげていく作業は、すべての基本だと考えています。この取り組みをコツコツ続けていくことによって、①も②もより伸ばしていくことができます。

ウォーミングアップでやるべき活動

私は、活動の中で先ほどの

①ボールを扱う活動
②身体を扱う活動
③刺激に対して、素早く正確に反応できるようにする活動

を必ず入れるように心がけています。3つとも入れる場合もあれば、1つのことを特化して入れる場合もあります。みなさまにぜひシェアしていただきたいと感じることは、これらをウォーミングアップに行うということです。

ウォーミングアップで行うことによって、のちに行う活動でよりハイパフォーマンスが発揮できたり、吸収力が高まったりするからです。また、継続して行うことによって、運動が苦手な子どもたちの動きもよりよく変わっていき、子どもたちが楽しめるきっかけにもなります。

例えば、こんな活動をします!

様々な刺激に対して、素早く反応できるようにするために、いろんな遊びやゲームをします。

島わたり鬼ごっこや、しっぽ取りゲームなど、みんなで遊ぶのも楽しいですよね?私はみんなで活動することもやりますが、初心者の子どもたちには1対1でできるゲームを準備します。なぜかというと、みんなで活動するのは、初心者の子どもたちにとって刺激が多過ぎて気づかなかったり、対応できないことが多かったりと難しさを感じるからです。

例えば、コーンを5本くらい立てて壁をつくって、1対1で鬼ごっこをします。すると、見るものが1つ…相手の動きだけになるので、相手の刺激に対して、どう反応すればタッチされないのか?またタッチできるのか?と考えることは明確になり、子どもたちも工夫しやすいように思うのです。

これだけだとすぐに飽きてしまうので、「コーチが笛をならしたら、鬼がチェンジするよ〜!」とルールを加えると、もう1つ刺激が増えますので、笛の合図に的確に反応していくことが求められます。

こうした遊びをコツコツと積み重ねていくと、子どもたちはどんどん刺激に対して素早く反応できるようになっていきます。この活動には、②の要素と③に要素が含まれています。

そして、ボールを運びながら活動すれば、①の要素も含まれるようになります。

このように、私たち指導者の考え方や工夫次第で、いろいろな要素を取り入れることができます。ただし、注意しないといけないのは、一気にたくさんの要素を盛り込まないことです。初心者の子どもたちにとって、複雑な活動は難しさを感じて楽しさを奪ってしまう可能性があります。私自身もそれでよく失敗をします(汗)。子どもたちの様子を見ながら、活動に慣れてきて飽きる寸前に、次の要素を加える感覚が大切かもしれません。

サッカーではないことにも取り組むことの重要性

同じ1対1や2対2などのミニゲームをやるにしても、上記のような遊びやゲームを行ってから取り組んだ場合と、そうでない場合にはとても大きな差が出ると感じています。

「脳トレ」ということばが頻繁に聞かれる時期があったり、最近では「コーディネーショントレーニング」や「ライフキネティックトレーニング」ということばがよく聞かれるようになって、YouTubeで検索すれば、誰でも簡単に練習メニューが見つけられます。

やはり、刺激を受け取り、脳を介して身体に伝えてアクションをしていくという神経回路を刺激していくことはサッカーがうまくなることや、運動そのものを楽しむことにおいて、とても大切なことだと思います。

小学校高学年くらいから中学生にかけて顕著になると感じているのですが、小学生の頃にこうした遊びやゲームをたくさん経験してきたかどうかでその後の成長度合いが変わってくるように感じています。また、技術や戦術を身に付ける際も、こうした遊びやゲームの経験が器用さや習得の早さにつながると実感しています。

ぜひ、子どもたちが運動を、サッカーを楽しむため、成長し続けるためにも、指導者のみなさまに考えていただきたい視点です。

初心者指導のまとめ

今回の内容は、私自身がおよそ20年間の指導経験の中で、年長から中学3年生まで継続して指導した経験から学んだことです。

初心者の指導をテーマにお伝えしましたが、例えば中学1年生で動きがぎこちない子どもたちや技術の獲得にとても時間がかかってしまう子どもたちにも応用できることです。初心者の子どもたちよりも頻度は低いですが、中学生にも③刺激に対して、素早く正確に反応できるようにする活動をウォーミングアップで行うこともあります。

子どもたちによって、様々な成長段階があります。子どもたちの成長段階に応じて、後戻りしながら指導していくことによって、子どもたちが大好きなサッカーをより楽しむことができると考えています。それを的確に見極める目を私たち指導者が持つこと、必要に応じて私たち指導者が子どもたちの困り感に寄り添うように降りていくことによって、多くの子どもたちが幸せになれると思います。そして、何よりも子どもたちがサッカーを楽しむことに役立てることが私の喜びです。また、私が指導者のみなさまの役に立てば、それもまた子どもたちの役に立てますので、うれしいです。

今回の記事が、どこかで、だれかのために役に立ちますことを願っております。