あるとき、保護者の方とお話をしていたときのことです。

その方は、1時間かけてお子さまを送迎されておられました。あるとき、「送り迎えにかなり時間がかかって大変ですね〜?」とお話しすると、意外な言葉が帰ってきました。

それを聞いて、「えっ!?そんな考え方があるのか〜!!」と驚いたと同時に、同じ状況に置かれても、自分の考え方次第、捉え方次第で、「自分の世界」を広げることができるんだな〜という体験をさせていただきました。

今回は、このありがたい体験について、みなさまとシェアさせていただきたいと思います。


「送迎に時間がかかる」=「大変!!」「無駄な時間!!」ではなかった!?

そのとき、私がお話させていただいたのは、中学生のお子さまがおられるお母さんでした。

私は、平日には、洗濯、食器洗い、掃除と夕食づくり(時々ですが)をしていますので、家事の大変さがほんの少しは感じてることができているつもりです。特に、金曜日の夕方はとんでもないバタバタ感に襲われることがあります(笑)。17時にきんすくを終えて、買い物をして家に帰り、そのまま夕食をつくって、子どもたちと夕食を食べる…分刻みのスケージュールのような目まぐるしさで、へとへとになってしまうことがあります(汗)。

ですので、夕方の最も忙しい時間帯に、子どもたちを送迎をしていただいて、プエデの活動に参加してくださることを心よりありがたく感じております。

だから、夕方の送迎に1時間を取られてしまうことは、「とても大変!!」であり、「無駄な時間!!」だと、私自身は勝手に思い込んでいました。

しかしながら、その方は次のようにお話をされました。

「確かに最初はものすごく大変でした!!(笑)でも、だんだんと考え方が変わって、子どもと車の中でコミュニケーションをとる機会はとても貴重だなと考えるようになりました!

その方とお話をしていると、子どもが思春期に入り、接する機会も減り、会話もなくなってきているとのことでした。家にいても、自分の部屋に閉じこもっていたり、親の言うことに対してもそっけない返事をしたりするのかもしれません。

それが、送迎となると、車という空間の中で距離感も近く、コミュニケーションがとりやすくなるのではないでしょうか?

私の息子たちもクラブに通わせていますが、家では面と向かって聞いても応えが返ってこないようなことでも、車の中でそれとなく聞いてみると、自然に話してくれることもあります。場所を変えると、コミュニケーションも変えることができるのかもしれませんね?


自分にもあった似たような体験

その方とお話をさせていただく中で、私も同じような体験があったことを思い出しました。

どのクラブでもされていることだと思いますが、最後のお子さまのお迎えが来られるまで、私は一緒に待っています。それは、やはり会場に来られてから、帰られるまでが活動であり、最後に自分で自転車で帰るなり、保護者が迎えに来られて車に乗るまで、大切なお子さまをお預かりしているという気持ちから行っていることです。

ことばにすると「管理責任」なのですが、あるときこの私の考え方を広げるような体験をしました。

まだ若い頃の話になるのですが、最後のお子さまと一緒に保護者の到着を待っていました。世間話をしながら待っていたのですが、その子の兄弟の話になったのです。なんと、私はその子にお姉ちゃんがいることを知らなかったのです。まだ若いこともあって、情けないことにそのときは何とも感じませんでした。

しかし、後のことになりますが、私が伝えたことが子どもたちになかなか伝わらないことに悩んでいた時期に、あることに気がつきました。私は自分が伝えたいことをわかってもらえないことを悩んでいるが、自分は子どもたちのことを何もわかろうとしていなかったのです。

その子にお姉ちゃんがいることを知らなかった…つまり、その子に興味を持ち、そのこのことをより理解しようとコミュニケーションをとろうとしていなかった…ということに気がついたのです。今思えば、本当に情けないです。いや、よくこれで指導をしようと思っていたな〜と恥ずかしくなります(汗)。

こちらが相手のことにより興味を持ち、相手のことをより理解しようとしなければ、こちらのことを相手には決して理解してもらえるはずはないのです。

そんな体験をしてから、私にとって保護者の到着を待つ時間は、その子とコミュニケーションをとる大切な時間に変わりました!


発想を変えると「自分の世界」を広げることができる!のまとめ

「送迎時間=子どもとコミュニケーションをとる大切な時間」と自分の考え方や捉え方を変えることによって、その方は、きっと「自分の世界」をさらに広げられたのではないかと思います。

逆に、自分が無意識にこだわっていることによって、「自分の世界」を狭めてしまっていることはたくさんあるのではないでしょうか?

知らなかったことを知ったり、できなかったことができるようになったりするのが成長です。しかし、今回のように、自分の考え方、捉え方を変えて、「自分の世界」を広げることも成長だと思います。これによって、さらに新しい体験が増えます。新しい体験が増えれば、そこから新たに気づきや学びを得ることができます。すると、また「新しい世界」に出会うことができるのではないでしょうか?

そう考えますと、誰と「出会う」のか?何と「出会う」のか?で、自分の生活、人生は大きく変わっていくんだな〜としみじみと感じます。そして、私にとっては、子どもたちとの出会いや関わり、いろいろな方々との出会いと関わりが「自分の世界」を広げることこそ、さらにいろいろな方々の役に立つことができると改めて感じております。

今回の記事が、誰かの役に立ちますことを願っております。