今回は、「小学生のうちに身につけておきたいこと」第3弾です。

第1弾、第2弾にご興味があるという方は以下のリンクよりご覧ください。
「小学生のうちに身につけておきたいこと①」
「小学生のうちに身につけておきたいこと②」

前回、前々回と、「ボールとの距離」を保ちながらプレーすること、「ボールと一緒に動く」ことの重要性について、お伝えいたしました。これらはともに、ボールを扱う技術に必要不可欠な要素です。また、子どもたちがサッカーをより楽しむため、より長くサッカーを続けていくためには、やはりボールが思うように扱えることが最も重要なポイントの1つだと考えております。私自身も含めて、子どもたちがサッカーをより楽しむために子どもたちと接したいという指導者や保護者の方が1人でも増えていくとうれしいです。

今回も、ボールを扱う技術につながることを、みなさまとシェアさせていただきたいと思います。



「まず止めてからプレーする」という習慣はよくない!?

小学生の4年生を過ぎてくると、だんだんとドリルTRを行って、技術を高めていくことが可能となっていきます。シュートのドリルTR、パス&コントロールのドリルTRなど、繰り返し繰り返し反復練習を行うことで、思い通りにボールを扱えるようにしていきたいところです。

しかし、ここに盲点があります。それについて、私の経験をお伝えしたいと思います。

「子どもたちにゲームで役に立つ、様々なテクニックを身につけさせたい!!」と鼻息荒く(笑)意気込んで、ドリルTRにひたすら取り組んでいた時期がありました。そのときは、いろいろなボールの収め方を練習して、ゲームの中でボールを奪われない自信を身につけさせたいと考えていました。

子どもたちも練習にしっかりと取り組んでくれて、コントロールの技術はすごく高まりました。


しかし!!です。
他のスタッフからの指摘を受けました。

「子どもたちは、全然ゴールをらねらっていなんじゃないか?」

そのとき、私ははっとしました。よくよく子どもたちのプレーを観察していると、まずはボールを足元に収めてから、「どうプレーしようか?」を考えているのです。そうしていると、顔を上げたときには、目の前に相手DFがもう立っているので、ゴールをねらうことができないのです。

私は自分の自己満足に落ち入ってしまって、思い込んでしまう「危うさ」を学びました。「しっかりと練習できている」、「練習したことがうまくできている」という指導者側の満足感よりも、子どもたちがピッチ上でいかに、相手DFや状況の変化を自分で感じ、自分でプレーを決断しているかどうか?が大切だということに気づきました。

このときは、子どもたちは、ドリルTRでやったコントロールをゲームで発揮することに、目的がすり変わっていまっていました。ゲームでボールを保持している際の本来の目的は、「まずゴールをねらうこと・目指すこと」です。ドリルTRのやりすぎと、私の声かけや設定の問題で、「まずボールを止めること」に目的が変わってしまったのです。


「ファーストタッチからゴールをねらって」プレーしているか?

その経験から、私は子どもたちがプレーしているときには、「まずファーストタッチからゴールをねらっているか?」という視点でプレーをみようと課題設定をしました。

「ファーストタッチからゴールをねらう」とは、簡単に考えると、ダイレクトでゴールへ蹴ることです。

しかし、ダイレクトでねらっていたけど、相手DFが守ってきたので、コントロールでボールを置き換えてゴールへ蹴ることもOKだと思います。

また、ダイレクトではできなかったけど、ファーストタッチからゴールをねらったコントロールをして、ゴールへ蹴ろうとしたプレーもよいと思います。

そもそも、ボールをもらう前から、DFに邪魔されないようなゴールをねらうことができるポジションをとっているのもよいと思います。

子どもたちの頭の中の「ゴールをねらうプレー」のイメージをいかに指導者側が感じることができるか?そして、「ゴールをねらってプレーすること」を指導者の側がどう整理して子どもたちのプレーをジャッジしていくのか?子どもたちをよりよい方向へ導いていくためには、ここが大切になると思います。

当然、ゲーム中には、相手DFのプレスが素晴らしくて、とりあえずボールを奪われないように収めることも大切になる状況もあるかと思います。しかし、そんな中でも「ゴールをねらっている」子どもは、ボールの持ち方や運び方がちがいます。

技術の獲得を目指しながら、いかに「ゴールを意識した」プレーができるように、指導者が導いていけるか?子どもたちの将来の成長や、長くサッカーを続けること、そして何よりもサッカーを楽しむことに直接つながってくるとても大切な、大切なことだと感じています。


小学生のうちに身につけておきたいこと③のまとめ

「ゴールをねらう」といっても、試合の中ではエリアによって「ねらい」が変わります。

相手のゴール前に攻め込んでいる状況であれば、やはりまず「ゴールをねらう」プレーが重要です。中盤であれば、まずは「相手DFラインの背後のスペース」や「ゴールに近づく縦パス」をねらうことが「ゴールを目指す」上で、大切になります。

よく、あの選手は「こわい」とか、あの選手は「こわく」ないという話をすることがありますが、これはまさにどれだけ「ゴールをねらって」プレーしているか?ということではないでしょうか?

ものすごく技術が高くてボールを奪えない相手がいても、全く「ゴールをねらって」いないのであれば、あまり「こわく」はありません。しかし、技術があまり高くない相手でも、少しでも隙があればシュートを打ってくる…そんないつでも「ゴールをねらっている」相手は嫌なものです。

そう考えますと、子どもたちの技術獲得と合わせて、「ゴールをねらう」ということがつながっていくようにしていくことが大切だと思っております。

厳しい言い方をすると、いくらドリルTRで正確な技術が身についたとしても、ミニゲームや試合で「ゴールをねらっていない」技術を発揮していても仕方がありません。ファーストタッチやドリブルの技術に、「ゴールをねらう」という要素をどう結びつけていくか?また、ゴールがねらえないときには、どうプレーするのがよいのか?

そういったことを指導者が整理して、子どもたちとサッカーに取り組んでいくと、もう1段も2段も子どもたちはサッカーが上手になります。サッカーがうまくなれば、よりサッカーを楽しむことができます。サッカーが楽しめるようになれば、「もっとうまくなりたい!」とさらに練習に取り組むと思います。

こうしたよい循環を大切にしていける指導者や保護者のなかまが増えていくといいなと思います。私自身ももっと子どもたちによりよい環境が提供できるよう、子どもたちと一緒に活動しながら学び続けたいと思います。

この記事が誰かのお役に立てますことを願っております。