プエデでは、「やる気」をキーワードに子どもたちの「やる気」を支える環境づくりを大切にしながら活動しております。

ところで、「やる気」とはいったい何なのでしょうか?

今回は、「やる気」について考えてみたいと思います。



<「『やる気』の正体」シリーズの他の記事へのリンク>
「やる気」の正体②


「やる気」がある人ってどんな人?

「やる気」がある人って、どんな人だと思われますか?

元気のある人?
すぐに行動ができる人?
自分から進んで行動できる人?

人それぞれではないかと思いますが、多くの方が前向きなイメージがあるのではないかと思います。

では、「おとなしい人」は「やる気」がないのでしょうか?静かに淡々と自分のペースで行動する人は「やる気」がないのでしょうか?

私は、「そんなことはない!!」とこれまでの指導経験の中で、子どもたちの姿から教えてもらいました。普段から大人しくて口数が少ない子どもでも、心の内には熱い思いがあり、なかまのために自分のやるべきことを献身的にやり続ける姿を見てきました。また、ある子どもは、目立つような行動はあまりしないのですが、どんなときでもなかまのことに気を配り、みんなのために用具の準備や練習がとぎれないようにボールを集めたりと、いつもなかまのために行動しつづけている様子も見てきました。

その子の個性や持っている考え方によって、様々な「やる気」の形があるということを20年かけでようやく整理できてきたように感じております。そんな子どもたちに教えてもらえたことをこれからも大切にしながらクラブの環境づくりをしていきたいと考えております。


「やる気」とは

「やる気」とは、「自ら進んで何かをやろうとする気持ち」のことです。

しかしながら、そもそも「やる気」というのは人間がつくり出したことばに過ぎず、実在しないそうです。正確にいうのであれば、「モチベーション(動機づけ)」というのではないでしょうか?

では、なぜ「やる気」ということばで表現しているのかというと、子どもたちにイメージしやすいと感じているからです。

「やる気」=「心の燃料(ガソリン)」だとイメージしながら、物事を達成したり、目標に近づいていったりするために、どうやって「やる気」を燃やしていくのか?日々の活動の中で、実践していきます。

「やる気」を心身の成長とともに、自分で自在にコントロールできるようになるために、様々なことを体験しながら、気づきや学びにつながるような機会をつくっていきます。


「やる気」が低い状態をどう変えていくか?が大切!

人間誰しもがそうだと思いますが、やる気が高い日もあれば、低い日もあります。子どもでも大人でも、嫌な出来事があったらやる気が下がってしまったり、逆に刺激を受けてやる気満々になったりと、「やる気」は一定ではないですよね?

また、私の息子がまだ年中や年長の頃のことですが、何に対してもあまりやる気が見られず、特に新しいことや新しい環境の中ではやる気がとても低くなってしまい、何もやりたがらないということに悩んでいた時期がありました。今思えば、「自己効力感」(簡単に言うと、自分にもできそうだと思えることです)が低かったのだと思います。

これは、ただただ様々な体験が不足していただけのことだったと感じています。今では、いろいろなことに挑戦できるようになりました。

プエデでは、サッカーを通じて様々なことに取り組んでいく中で、「やる気」の芽を出せるような体験ができる環境を提供していきます。そして、「やる気」の芽を少しずつ育てていきながら、自分から「やる気」が出せるように、「やる気」がみなぎるように導いていきます。

その「やる気」で、サッカーはもちろんのこと、いろいろなことにチャレンジしながら、サッカーも身体も心も成長できるようにしていけるようにと考えております。特に、心の面は中学生、高校生、そして大人になってからも生きるような考え方を育てていきたいと考えており、それが実践できるよう、私自身日々継続して学び続けているところです。


「やる気」の正体のまとめ

「よし、やるぞ〜!!」といつも「やる気」がガンガンにあるという状態も、実はよくないと考えています。無理やりに気持ちを出している「やる気」は長続きしませんし、やがてエネルギー不足となり、ガス欠の状態になってしまいます。

「やる気」で大切なことは、自分でコントロールできることではないでしょうか?

自分が必要なときに「やる気」を自在に出すことができる、ここが大事!!という場面で「やる気」をしっかりと発揮できる、そんな自分でコントロールできる「やる気」をいかに身につけるか?育てていくことができるか?ここがポイントのように思います。

「やる気」は目に見えにくいものです。私が若い頃は、元気がない子ども、おとなしい子どもはやる気が低いと思っていました。しかし、そうではないということをこれまでの子どもたちとの関わりから学びました。子どもと関わる私たち大人がそういった視点を持ちながら、子どもたちの「やる気」を見守っていくことはとても大切なことだと感じています。「やる気」はどんな子どもたちでもすでに持っているものと信じながら、活動していくことが大切だと感じています。

また、なぜ「やる気」は見えにくいのでしょうか?
それは、「やる気」は人間の内面にあるからです。「やる気」をキーワードにして活動していくことで、子どもたちも私たちも人間の内面を感じようと行動していくと思います。

子どもたちにおいては、自分の内面を感じながら、自分と対話する場面が増えていくのではないでしょうか?その積み重ねが自分の心を豊かにしてくれると思いますし、大人になっても幸せに生きていける心につながるのではないでしょうか?

私たち大人にとっては、子どもたちの内面を感じるために、子どもたちの様子を見守ったり、観察したりすることが増えていくのではないでしょうか?この積み重ねによって、私たちも自分の内面と向き合ったり、子どもたちの姿から気づきや学びを得たりして、幸せに暮らしていける心につながるのではないかと考えております。

実際、私がこれまでおよそ20年間サッカーの指導者として、子どもたちと一緒に活動してきた中で、経験してきたことがまさにこれに当たります。

子どもたちは、とても純粋であり、「純情(すなお)」です。年齢が低いほど、そうかもしれません。そんな子どもたちが感じることや行動していることから、私たち大人は本当に多くのことを学ぶチャンスがあります。子どもたちの姿は、日々の私大人の姿であり、鏡です。いつも私たちからあいさつをしていれば、子どもたちも自分からあいさつをするようになっていきます。私たちが明るく機嫌よくあいさつしていれば、子どもたちも同じようにきっとするでしょう。

クラブの活動の中で、私自身が「やる気」を大切にしながら自分の「やる気」を信じ、子どもたちの「やる気」を信じて行動すれば、きっと子どもたちも「やる気」を大切に、いろいろなことにチャレンジするようになると考えています。そして、サッカーの面でも生活面でも、自分にできることが1つずつ増えていき、豊かな人生を送ることにつながっていくのではないかと考えております。

ここでお伝えしたことは、実際にはプエデで活動したことのある方や継続して活動した方にしか、わからないかもしれません。しかし、みなさまにお伝えすることを通じて、1人でも「やる気」を大切にするなかまが増えたり、「やる気」を意識する考えに触れる方が増えたりするのではないかと思い、お伝えしました。

2022年度より本格的にキッズの活動…幼児期の子どもたちや小学1・2年生の子どもたちと活動する機会を増やしていく取り組みを始めました。最初は、「もう疲れた〜」と言って寝そべってしまっていた子や全く後始末をしようとしなかった子も、活動していくうちに、「こーち!きゅうけいはいらないからつぎのことやろうで!」とか、「わたしがしょうどくがかりをしてもいい?」と、自分から行動する子どもたちが増えています。

様々な体験により、自分の「やる気」が育っているのだと感じております。まだまだ発展途中ですし、改善ポイントがあると感じておりますので、これからも子どもたちと一緒に学び続けたいです。

ぜひ、みなさまのご家庭やチームの方で、シェアしていただきまして、子どもたちの成長や素敵な空間づくりのお役に立てれば、これほどうれしいことはないと思い、記事にアップさせていただきました。

この記事が誰かのお役に立てますことを、願っております。