私は、これまで数え切れないほどの「失敗」をしてきました。その「失敗」から気づき、学び、自分を変えようと実践し続けてきたから、今の自分があります。

自分を成長させ続けていくためには、この「失敗」をどうとらえるか?ということがとても重要になってくると考えております。

今回は、この「失敗」のとらえ方について考え、シェアさせていただきたいと思います。

「失敗」とは

辞書によると、「失敗」とは、「物事をやりそこなうこと。方法や目的を誤って良い結果が得られないこと。しくじること。」と書いてあります。

よい結果ができないのですから、誰もが避けたいですよね?

先日の記事「自信について考える」でも紹介しました、田中ウルヴェ京さんの「心の整えかた」によると、失敗には2つあるそうです。

1つは、「何かに挑戦し行動して失敗する」というもの、

もう1つは、「行動しなかったために失敗する」というものです。

2つ目の失敗「行動しなかったために失敗する」は、何も行動しなかったのですから、ここから何かを学んで次に進むことができません。だから、まずは行動することにとても価値があると私は考えるようにしています。そして、まずは目の前のことに挑戦できた「自分を認める(自分にOKを出す)」ようにしています。

その上で、次はその「失敗」からどう学ぶかになります。

「失敗」から学ぶには「効力予期の自信」が必要!

「失敗」に出会ったときに、どう「受け止める」か?

若い頃の私は、本当に情けない人間でした。

例えば、〇〇大会東部地区予選で負けてしまい、地区予選で敗退してしまいました。そのときも「もっと積極的にプレーしないとダメ!」、「たまたまタイミングが悪かっただけ…」、「子どもたちが力不足だったから仕方ない…」といったように、周りのせいにしてしまい、自分の責任を受け止めることができない情けない自分でした。時には、「自分にはこんなことができるとは思えない…」と自信を失ってしまうこともありました。

「結果予期の自信」だけにしか目が向けられておらず、「効力予期の自信」を自分の中に育てていくための取り組みが全くできていませんでした。要するに、「失敗」を恐れ過ぎて行動が全く足りなかったのです。

「失敗」から学ぶには、どんな経験からも自分は常に学んで次に進んできたという自信、つまりは「効力予期の自信」が必要です。どうすれば「効力予期の自信」を育てることができるかは、「自信について考える」という記事に簡潔に紹介しておりますので、そちらをご覧いただければと思います。

「失敗」は書き換えることができる!!

「効力予期の自信」について知らなかった私は、「失敗」についてのイメージを変えるような出会いがいくつかありました。

元プロ野球監督の野村克也さんが「負けに不思議の負けなし」ということを言っておられました。その言葉に出会ったときに、「負けた」ことには必ず原因があると考えて、負けた原因を分析していくことに、次の1歩に進むヒントがあるということを学びました。

元全日本女子バレー監督の柳本晶一さんが「人生負け勝ち」ということをおっしゃっておられたことに感銘を受けました。このことばに出会い、「負ける」ことは悪いことだけではないということを感じ、「失敗」に対する悪いというイメージが変わったのを思い出します。

有名な経営者である松下幸之助さんが「失敗したところでやめてしまうから失敗になる。成功するところまで続ければ、それは成功になる」ということばを残しておられます。このことばに出会ったときに私はこれは自分を支えてくれるものに違いないと感じるくらい感銘を受けました。

私自身も中学生のときに、新人戦では0−3で完敗した相手にも市中総体では勝利することができた経験や、指導者としても春のリーグ戦では負けてしまった相手にも秋の大会では勝つことができた経験などを通じて、日々の練習の積み重ねで「負け(失敗)」を「勝ち(成功)」に変えるという経験を摘みました。

これらの経験によって、「失敗」は時間と行動の積み重ねを経て、「成功」に書き換えることができることを学びました。逆に、これをどう子どもたちに伝えながら理解させ、子どもたちの成長のきっかけをサポートしていけるかが私の仕事だと思うようになりました。

様々なものに出会い、「失敗」をチャンスだと感じる今の私までたどりつくことができました。いろいろと苦い経験をしたからこそ、先にあげました「効力予期の自信」の大切さ、重みがよく理解できます。子どもたちの成長のためにも、これから幸せな人生を歩んでいくためにも、この「効力予期の自信」の芽を出すきっかけづくり、育つ環境づくりにしっかりと取り組んでいきたいです。

「失敗」のとらえ方のまとめ

「失敗」は、次に自分が進むべき道を指し示す「道標」になります。

私がいつも心がけていること、子どもたちに伝え続けていることは、「何も挑戦しないことを選ばない!!」ということです。「何も挑戦しない」ことを選べば、失敗は格段に減ります。しかし、何も次にやるべきヒントを得ることができません。

つまりは、「失敗しないことがいいことではない」ということを何度も何度も繰り返し伝えます。

確かに「失敗」はできれば、経験したくはありません。しかし、「失敗なくして成長なし」だと思います。だから、意図ある失敗や意志のある失敗は認めながら、どうすれば次に進むことができるかを子どもたちと一緒に考えていきたいと思います。

意図のない失敗…何も考えがなく何となくした失敗については、そんなことでは何も得られないからもったいないよね?と伝えています。

挑戦のある失敗を積んでいく子どもたちは、かなり成長速度が速いです!!「失敗」を必要以上に恐れず、学んでいく素直さが育っていくからだと思います。「失敗」に耐えて、次の行動を編み出すたくましさが備わっていくのだと思います。

ぜひとも、子どもも大人も「失敗」から学ぶということを大切にしていける、そんななかまが増やせたらいいなと考えております。

今回の記事が、誰かのお役に立てることを願っております。