ここ最近、気温が急激に上がっています。この土日は30度を越える時間帯もありました。この夏に変わっていく時期に最も気をつけないといけないのが、熱中症への予防対策です。
ここ近年、感染症予防対策でマスクの着用が必要な状況もあり、この時期はいろいろなことに気をつけなければなりません。クラブを運営していく立場としましても、緊張感を高めて、子どもたちが安全に安心して活動できる環境をつくりたいと考えております。
特に、今年は例年までとは異なる状況です。一旦暑くなってきたと思っていたら、急に気温が下がり、つい最近まで朝晩の気温が低く、日中との寒暖差が非常に大きくなっている状況でした。
従いまして、例年以上に暑さに体が慣れるのに時間がかかってしまいそうですし、例年以上に熱中症への対策をしっかりと行なっていかないと危険であると感じています。
今回は、自分への戒めも含めまして、熱中症への対策を考えていきたいと思います。
なぜ、熱中症が起こってしまうのか?
環境省「熱中症予防情報サイト」にわかりやすく情報が書かれています。
簡単に説明させていただきますと、気温が高い場所や、湿度が高い場所に長くいると、体温調節機能が上手くはたらかず、体の中の熱を外ににがすことができなくなってしまうこと(環境の原因)、体の中に熱がたまって体温が上がったり、急にたくさんのあせをかいたりして、体の中の水分や塩分が失われてしまうこと(体の原因)によって、熱中症になってしまうリスクが高まります。
だから、みなさまも熱中症対策として行っておられると思いますが、①体温を下げること、②塩分と水分をしっかりとることを行う必要があるのです。
熱中症を防ぐために重要な食事
長年、現場で活動をしてきた経験から感じることですが、最近の暑さは尋常ではありません。私の子どもの頃の暑さとは比べ物になりません。従いまして、万全な対策が常に必要であると感じています。
特に、熱中症を未然に防ぐため、活動時の熱中症対策をより効果的にするために、食事が非常に重要だと感じています。
熱中症の症状が出た子どもたちに聞いてみると、朝食をごはんだけしか食べていない、パンだけしか食べていないという状況の子どもたちがやはり多いと感じています。栄養バランスのいい食事が準備できればいいのですが、それもなかなか難しい状況もあるかと思います。
私も2人の小学生の息子がおりますが、ただでさえ朝は時間がすぐにたってしまいますし、バタバタと忙しいです。そんな中でも比較的簡単にできることが2つあります。
1つは、味噌汁を飲むことです。前の日の晩ご飯の残りがあればいいのですが、それがなければ即席の味噌汁で十分かと思います。味噌汁と食べることによって、活動前に事前に塩分をとっておくのです。
もう1つ簡単な方法が、卵かけご飯を食べることです。ご飯に卵をかけて、醤油をかけることによって、ここでも塩分をとっておくことができます。タンパク質が取れることもメリットだと思います。卵は栄養価が高いのでおすすめです。もしくは、お茶漬けのもとを利用して、お茶漬けご飯を食べるのもよいかもしれません。
活動中に汗と一緒に排出されてしまう塩分を、いかに事前にとっておくかがとても大切だと考えています。
これくらいの対策であれば、比較的簡単にできるのではないかと思います。
私は面倒くさがりなのですが、朝の忙しい時でもこれくらいならパパッとできます。私の朝ごはんの定番です。
他にももっと簡単で、よい方法があるかもしれませんので、見直してみられてはいかがでしょうか?
練習の際の準備物
活動中に体調が悪くなってしまった子どもたちに準備してきた飲み物について聞くと、やはりお茶や水という子どもたちが多いのも事実です。
こちらも各ご家庭でお考えやご都合があると思いますので、無理強いはできません。しかし、できることなら安価なものでいいのでスポーツドリンクを準備することが理想です。
そして、まだ暑さに体が十分慣れていない時期に持ってくるとよいのが、「経口補水液」です。近年では、ドラッグストアに行けば、誰でも購入することが可能になっています。活動中に、経口補水液を飲みながら活動することで、かなりの確率で、熱中症を回避できるのではないかと感じています。夏場にずっと持参するというのは費用の面からも厳しいかもしれませんので、この暑くなってきて体が慣れていない時期だけでも安心感が違うかもしれません。
クラブの方でも、活動時に数本だけですが、経口補水液を準備しています。軽度の体調不良ですぐに休ませて、経口補水液を飲ませると重症化を防ぐこともできますし、その後の回復も早まります。
あと、体温を冷やすための準備も大切です。
タオルを水で濡らして凍らせてクーラーバックに入れて持っていくこともおすすめです。これはなかまに教えてもらったことですが、顔や首すじ、脇の下などを冷やして体温を下げるのに役立ちます。保冷剤も効果的かと思いますが、いつも都合よく保冷剤が準備できないケースもあるかもしれません。そんな場合の代役にいかがでしょうか?
もう1つ体温を冷やすための工夫としては、(商品名は言いづらいのですが…)パウチ型のアイスクリームを持参することです。活動中にアイスクリームを食べることは賛否両論があるかもしれません(汗)。昨年、昼ごはんの際に、アイスクリームを食べたら体温を一気に下げることができ、体が楽になったと感じました。内臓を冷やしてしまうというデメリットも考えながらになりますが、暑さが厳しいときや帰宅後のリフレッシュには役立つかもしれません。
熱中症対策についてのまとめ
今回は、熱中症予防について…主に、未然に防ぐために準備しておくことについてお伝えしました。
熱中症の予防の対策や応急処置について、日本サッカー協会HPにもわかりやすく情報が掲載されていますので、ぜひご覧になってください。
私は、現在年長から中学3年生の子どもたちと日々活動しております。その中で感じるのは、情報を知らなかったがために体調不良になってしまうケースがあるということ、そして、そうなる前に私自身もっと何かできなかったかという後悔です。
1人でも多くの子どもたちに、安全に安心してサッカーができる環境を準備できるよう、これからも地道に行動していきたいと考えております。
熱中症に限ったことではありませんが、様々なことは知らないから起こってしまうというケースがかなりの数あると感じています。ただ知らないだけ、わからないだけなのです。そういった意味では、知らないことやわからないことを気軽に聞くことができる雰囲気づくり、関係づくりが最も大切なことではないかと感じています。
それと合わせて、子どもたちが体調がすぐれないときに、気軽に言えたり、遠慮なく言えるような雰囲気づくり、関係づくりも大切だと感じています。子どもたちに「大丈夫か?」と聞くと、多くの子どもたちは「大丈夫です!」と言います。そこから1歩踏み込んで様子を聞くことができるコミュニケーション力と言いますか、配慮と言いますか、それができる指導者でありたいと思っております。
熱中症対策で子どもたちのサッカーがうまくなるわけではありません。しかし、こういったところから、子どもたちのためにどうしていくのがいいのかを考えていくことは、必ずや子どもたちの成長につながっていく、と信じています。1人1人の命を大切にしていくことは、形を変えていき、1人1人を大切にしていくこと、大切に関わっていくことにつながっていくのではないでしょうか?
今回の記事が、誰かの役に立てることを願っております。